「癒しの音楽」。このたぐいのCDを最近よく見かけます。
「癒されたい!」って思って聞いてみたら抑揚の無いだらだらとした曲ばっかりで余計にストレスが溜まってしまうことも多いです。このCDもその中の一つではないかと一抹の不安を感じたけど、ジャケットの美しさに惚れて買ってしまった。
ところが聞いてみてびっくり、穏やかな曲調なのに不思議と退屈しない!。何か心に引っ掛かるものがある、なんなのだこれは!。輸入盤だったので詳しいことはわからないのだけど、どうやら中世の作曲家のメロディをもとにアレンジしたものらしい。
気になってその作曲家のことをしらべてみました。その人の名は、ヒルデガルト・フォン・ビンゲン、史上初の女性作曲家であり聖職者でもあったらしい。
生きていた時代は1089年から1179年まで(日本ではちょうど平安時代の後期かな)、音楽史的にはドイツ中世文化史上の重要な人物だそうです。何しろあの音楽の父といわれるバッハの生きた時代より600年も前なのだから、凄いじゃないですか。
彼女は超自然的実在を視聴覚でとらえる特別な能力(今で言うサイキッカー)を持ち、修道女、修道院長として一生を過ごした間に、天の声に導かれて様々な旋律を生み出しました。
それは天体のハーモニーが美しく響くごとく神秘的な音楽なのでありました。
このCDは、Richard Southerという音楽家がヒルデガルト・フォン・ビンゲンの曲を現代風にアレンジしているものでタイトルはIlluminationといいます。
私が購入したのは輸入盤ですが、きりえさんから「国内版もあるよ」という情報をいただきました。情報ありがとうございます。
こちらは、セクエンツィアによるアルバム「エクスタシーの歌~ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの世界」です。