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刺さるアンビエント

今回はアンビエントの作品を3つ紹介します。アンビエントだけど刺さります。

笹久保伸 | Energy Path

ギター奏者である笹久保伸の40枚目となる新しいアルバムです。40枚というのが、ちょっと想像できない枚数です。さらに、秩父での芸術運動や映画制作など、多彩な活動もされているようです。

秩父の山での体験の中から生まれた変容する音楽の記録。
2024年5月のある日、秩父で「魔法の水/不思議な水」と呼ばれる湧水を撮影していた。光の反射によって水の姿は炎や鉱石のように変容し、ギターのハーモニックスの姿を思い出した。その日に撮影した写真はアルバムのジャケットになっている。

39作目のアルバム「Human Poetry」のコンセプトの一つでもあった「聴こえていないけど存在している音たち」をさらに探求する中で生まれた作品。Andre3000のツアー真っ最中のカルロス・ニーニョが数曲参加し、今作品のスピリチュアルフォース的役割を果たしている。(Shin Sasakuboによる解説)

本当に水がキラキラと輝いて流れている様子が音楽で表現されていて、その純度というのが高く、目の前に水の結晶のようなものが見えてくる素晴らしいサウンドです。

特に1曲目の「Energy Path」は、ゲスト参加のパーカッショニストのカルロス・ニーニョのパーカッションと笹久保伸のギターのハーモニックスのアンサンブルが最高です。


 

藤田正嘉|Migratory

3年ぶりの新作。世界を旅する渡り鳥からインスピレーションを受けた作品だそうです。

藤田正嘉はビブラフォン奏者とのことで、もちろんビブラフォンの音も聞こえるのですが、マリンバや雅楽で使用される笙が印象的なサウンドを作っています。

インスト曲がメインの中で、4曲目の「Our Mother’s Lights」でのポエトリーリーディングや9曲目の「Higurashi」のボーカルが人間の息吹を感じる部分となっています。

全編を通じて穏やかなサウンドに満ちています。


 

Sedibus | Seti

ジ・オーブのアレックス・パターソンと初期メンバーのアンディ・ファルコナーによるコラボ・ユニットであるSedibusの3年ぶり2作目。
ジ・オーブといえばファースト・アルバムの「The Orb’s Adventures Beyond The Ultraworld」というアンビエント・テクノの名盤がありましたね。
音源となる音楽のコラージュなど、ジ・オーブの佇まいを、このSetiでも感じます。
アンビエントなんですが、2曲目の「Purgatory」ではキラキラとしたビートもあって不思議な高揚感もあります。ララージのチター演奏を思い出しました。
続く「Seti(pt.2)」以降は適度なグルーブもあって、仕事のお供にいい感じです。