独断で選ぶ昭和の名曲トップ3(その3)

昭和という時代を振り返った時にどうしても語っておきたい名曲を、ちょっと違った目線で3曲選んでみました。今回はその3回目(ラスト)です。

新日本紀行テーマ曲

1969年から1978年まで放送されていたNHKのテレビ番組「新日本紀行」のテーマ曲を、昭和の名曲のとどめとして紹介します。

子供のころ、何度となくテレビで聞いていたテーマ曲ですが、その頃は特にそれほど意識していなかったのです。しかし、その後、聴く音楽の幅が広がり時代が平成になったころ、ふたたびこのテーマ曲を耳にして、「なんて素晴らしい曲なんだ!」と感動すると同時に、作曲者が冨田勲であることを知ります。

冨田勲と言えばシンセサイザーによる音楽が有名ですが、この頃は生のオーケストラの作品が多く作られています。「ジャングル大帝」や「リボンの騎士」のオープニングテーマも冨田勲の作曲です。

この新日本紀行のテーマ曲もオーケストラによるもので、日本の自然や地方の風習や人々の生活というものが、音楽によって見事に表現されていると思います。

テレビ番組のオープニングということで時間も1分と短いのですが、よくぞこの時間に凝縮したものだと思います。まさに天才の技です。
この曲で使われている拍子木の音が、また印象的なんですよねぇ。

大友直人指揮 東京交響楽団

オリジナルは「TOMITA ON NHK/冨田勲 NHKテーマ音楽集」で聞くことができますが、「新日本紀行/冨田勲の音楽」と題されたCDでは、大友直人指揮東京交響楽団が1994年に演奏したものが収録されています。この盤では、この名曲を大変すばらしい音質で堪能することができます。