「私を構成するn枚」の12枚目
「私を構成するn枚」と題して、自分が影響を受けたアーティストのアルバムを紹介します。
Keith Jarrett Trio|Still Live(枯葉)
クラシックとジャズは苦手だった私ですが、偶然に聞いたマーラーをきっかけにクラシックにどっぷり浸かってしまいます。その後、スティングのアルバム「Nothing Like the Sun」をラジオで耳にしてそのサウンドに魅了され、ふたたびクラシック以外の音楽も聞くようになるのですが、いわゆる王道のジャズは苦手なままでした。
ちなみに、フュージョンは好きでしたが、ソロ楽器のアドリブが長々と続くと「ちょっと無理だな~」って感じだったなぁ。
1990年ごろのある日。
ジャズ好きの友人の家に遊びに行った際、案の定ジャズのCDを解説とともに聞かせてくれるのですが、良い感じの部分もあるのだけど、アルバム1枚を通して聞くのはやっぱり辛いわと感想を素直に伝えました。
そんな私の話を聞いて、友人が「じゃあ、これはどうかな?ライブの映像もあるので取っ付きやすいかも。」と言って聴かせて(見せて)くれたのが、キース・ジャレット・トリオのスタンダーズ・ライブでした。
確かに映像があると音以外の情報もあるので曲に入り込みやすかったです。それにキース・ジャレットの出すピアノの音が美しかった。即興のメロディとハーモニーの絡み合いに聞き惚れ、ベースとドラムがそれぞれ主張しながらも全体のバランスがとれていて、アドリブを聴く楽しみが、なんとなくわかったような気がしました。ただ、キースのうなり声には驚いたけど。
早速このCDを手に入れ、家で何度か聴いているうちに愛聴盤になりました。2枚組なのですが、それこそあっという間に1枚が終わってしまうので2枚でちょうどいいぐらいです。
1曲目の「My Funny Valentine」は、最初にバースがあってなかなかテーマが出てこないのですが、このバース部分がまた心地良いんですよ。
てなわけで、このアルバムがきっかけとなってジャズも聴くようになります。そして、名盤といわれているアルバムを聴きあさる日々がやってきます。
ただ、クラシックの時のように、ジャズだけという聴き方ではなく、ジャズも聴くという感じでしたね。往年の名盤もいろいろ聴いたけど、だいたい数回聞いただけで、繰り返し聞くのは最近のジャズミュージシャンの作品が多いです。でも、このアルバムとビル・エヴァンスは、今も時々聴いています。