シルベッティ/スプリングレイン bebu silvetti / Spring Rain

「私を構成するn枚」の1枚目

「私を構成する9枚」と題して自分が影響をうけたアーティストのアルバムを9枚紹介する、というのをtwitterで見まして、自分もやってみようと思ったのですが、とても9枚に絞れないので思いつくまま紹介していきます。

Spring Rain

ベブ・シルベッティ – bebu silvetti

シルヴェッティは1970年代に主にスペインで活躍したピアニスト、作曲家です。

1976年にリリースされヒットした「Spring Rain」が、彼の代表曲と言えるでしょう。これは、1997年に電気グルーブが「Shangri-La」(シャングリラ)でサンプリングした曲でありますが、ほぼそのまんまサンプリングされていたので、シルベッティの曲を知らない人が「Spring Rain」を聞くと「あ、電気グルーブの曲だ」と思っちゃうかもしれません。

このSpring Rainは、もちろん名曲ですが、この曲がおさめられたアルバムも捨て曲なしの傑作になっております。以前、紙ジャケットで初CD化された時は狂喜乱舞して買いに走った覚えがあります。

このアルバムは、1977年ごろに日本でも発売され、FMで「Spring Rain」を聞いた母が買い求めたアナログ盤が、今も手元に残っています。当時は、イージーリスニングというジャンルで扱われていて、ポール・モーリアやフランク・プールセルとかと同じコーナーに並んでいました。

実際のサウンドは、イージーというよりは、洗練されたラテンの味わいの70年代後半のダンスクラシックと言う感じで、リッチなストリングスと女性コーラスによって都会的なサウンドに仕上がっています。

何よりも、メロディが美しく、今聞いても全く遜色なく楽しめる素晴らしい作品です。時代を越える上質のアルバムといえるでしょう。

現在CDで発売されているアルバムジャケットは、オリジナル盤のジャケットでして、思わずジャケット買いしたくなる美しいものですが、当時日本で発売されたアナログレコードのジャケットは、これとは全く違ったもので邦題は「シルバーレイン」でした。

その後の作品は

シルベッティは、このアルバムの後に「Concert From The Stars」「I Love You」の2枚のアルバムを日本でもリリースしています。

これらのアルバムも大変すばらしいのですが、特に「Concert From The Stars」は、さわやかな女性ボーカルの「Sun After the Rain」で軽やかに始まり、2曲目の「Sky Lab」では大空を飛ぶ鳥のようなスピード感と美しいストリングスが聴きどころです。アルバムタイトルにもなっている「Concert From The Stars」は、夜空にきらめく星や神秘的な宇宙を感じさせる曲でアルバム最後を飾るにふさわしい曲です。

私にとって、シルベッティの3枚のアナログレコードは、母の残してくれた宝になっています。「Concert From The Stars」と「I Love You」もCD化してほしいところです。

ちなみに、シルベッティは、2003年7月5日に、59歳の若さでこの世を去りました。そして驚くべきことに、その前日には、バリーホワイトが58歳で亡くなっているのです。私にとってこの二人は、大きな影響を受けたアーティストであり、とても偶然には思えませんでした。

アルバムと収録曲

Spring Rain

Spring Rain

収録曲

1. Spring Rain
2. Primitive Man
3. Smile At Dawn
4. Two Cups Of Coffee
5. Voyage Of No Return
6. Coconut Rain
7. Fortune Teller
8. Contigo

Concert From The Stars

Concert From The Stars

収録曲

A1. Sun After The Rain
A2. Sky Lab
A3. Love Secrets
A4. El Tempo Pasa
B1. Velvet Hands
B2. Goodbye Manhattan
B3. One Note Samba
B4. Concert From The Stars

I Love You

I Love You

収録曲

A1. Piano
A2. Why(Can’t I Live This Romance)
A3. Just A Game
A4. I Love You
B1. Someday
B2. Love Is On Tonight
B3. Atmosphere
B4. Everywhere You Go